長崎県雲仙市小浜町に建つ老舗の温泉旅館のエントランス改修。建物本体は昭和40年代に建設され、海に面した立地条件であることから特にエントランス廻りは潮風の影響により老朽化が進んでいたことから、先行して改修工事を行った。風化が進んでいた板塀と入口廻りの外壁を統一したデザインの木格子壁とし、庇軒天も高さを統一した繊細な木格子として内外に連続させることで、水平方向の広がりを持つ空間として計画した。入口脇の大型引戸は、内部照明により浮かび上がる大きな「家紋」を設置、通りからのアイストップサインとしての役割を担う。LPA(ライティングプランナーズアソシエイツ)の照明計画により浮かび上がる木格子の温かい輝きが、訪れる人々を迎えるエントランスとした。(写真撮影:杉本圭)